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永遠の【仮】〜勇氣凛々海の色〜

水中に目覚めた、水どう好きな道産子の日常。

そこに山があるから

前回とは打って変わって、ハッピーとは言い難い映画『エベレスト』を観てきました。

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実際にあった、エベレスト登頂最悪の事故と呼ばれる1996年の事実を基に作られた作品。

この時の事故で、日本人女性登山家も亡くなっています。

天候や運だけではない、人的ミスなども重なったにしろ、何とも言えない悲劇。


時間をかけて技術と経験を積み、高額な費用をも用意できれば一般人でも登れる…とのことだけれど、酸素ボンベを背負わなくては呼吸もままならず、氣温はマイナス40度越えも当たり前、風速時速300キロメートル越え、氣圧は常圧の半分以下。

そんなところに大金と体力を注ぎ込むとは、そりゃあ「なぜ、登る?」と聞きたくなります。

実際、そういうシーンがあるのですが、でも、それを言うならワタシも「何で潜るの?」「何で撮るの?」と聞かれても、ズバッとした回答は出せません。

たぶん、「何で生きるの?」って聞かれているのと似ているのかも。

山にも、どうにも抗えない魅力があるんでしょう。

この作品の中では、エベレスト登頂が大衆化したばかりに出るゴミの問題、それから、遺体が当たり前のように転がっていることにメンバーが『死』を目の当たりにするところが、ワタシには印象的でした。

どちらも短いシーンですが、ズキンときます。

実際、高額な登山料や危険度のため、ご遺体が回収されることは少ないんだそう。

むしろ、目印として名づけられてしまうこともあるんだとか。

それにしても、この撮影、過酷だったろうな…と思います。

どうやって撮ったんだろう?と思うシーンだらけでした。

ほとんどを約5000メートルの地点で撮影したそうで、当然、スタッフも俳優もそこに登らないといけないし、体調とか過酷な環境とか、それへの準備とか考えると、素人ながら驚嘆するのみ。

人が自我を失って死の恐怖に壊れていく様、本来ならきっと人間が行くべきではない場所の自然の脅威に、ただ座って見ているだけでも震えます。

粘り強さ、諦めない心、不屈の精神…ほとんどが敬意を持たれるであろうことが、自分のみならず他をも危険に晒す。


山の上と水の中という違いはあれど、一つ間違えば『死』に繋がるところへ行く以上、この作品は重々と考えさせられる1本になりました。

すごいなぁと別な意味で思うのは、この事故で一度も会うことなく父親を亡くした娘さんが登山をやっていてエベレストのベースキャンプにも行ったことがあるということ。

しかも、なかなかの美人です。