永遠の【仮】〜勇氣凛々海の色〜

水中に目覚めた、水どう好きな道産子の日常。

そこは人間の領域ではない、

先日、水中マスクのみ、シュノーケルなし…という出で立ちの男性がサンゴの上に立っているのを見て、また別な男性が「それはサンゴですよ。サンゴの上には立たない方がいいですよ」と進言したところ、「わかっとるわい!!そんなもん!!」と、いきなり逆ギレ。

 

わかっとるわい!なら、なぜ立ったのか。

 

「なんや!海で泳ぐなってか!!あ?!」と、予想を超えるキレ具合に、腕に覚えのあるダンナさんとケンカになってはいけないと思った奥さんが「公平性のためにも警察呼びましょうね」と言った途端、ピューッと逃げて行った…という話を聞きました。

 

是非とも!!海で泳がないでください!!

 

 

そして、その逆ギレ男性が子ども連れだった事を考えると、その子は、その逆ギレ父の背中を見て育つのです。

 

おそらくは泳ぎに自信アリアリでマスクのみ遊泳したものの、思ったより苦しくなってしまってのサンゴライドオンかな、と。

 

プールと海は、まるで条件が違うこと。

 

昔取った杵柄が水泳部とか、ほぼ意味をなさないのですけれど。

 

 

 

そもそも、海は人間の領域ではありません。

 

サメに噛まれ、腕だか脚だかを失ったサーファーは、サーフィンを続けながらも「海は人間の領域ではない。そこに入って行って負った怪我は自己責任だ。サメは何も悪くない」と言い、彼の不自由さを思ってサメに報復しようとした人々を窘めた…という話を聞きました。

 

そう、繰り返しますが、そもそも海は人間の領域ではないのです。

 

船を作り、沖へ出て魚を獲り。

 

釣り糸を垂らし。

 

銛を持って泳ぎ。

 

 

 

そういう意味でなら、山もそうかもしれません。

 

猟銃を担ぎ。

 

キノコや山菜、タケノコ欲しさに。

 

そこで熊、猿、猪、鹿に襲われて怪我をしたの、死亡事故になったの。

 

 

ワタシは北海道出身なのですが、襟裳と稚内には毎年観光客がやって来てはアザラシにエサやりをするそうです。

 

商売になると企んだ人がエサを売り出しているのか、観光客が勝手にエサになりそうな物を投げているのかわかりませんが、これがなかなかの問題になっています。

 

そこに横たわっているだけでエサが貰えるので、アザラシが真面目にエサ獲りをしなくなります。

 

生態系に影響するでしょうし、エサが貰えない時が来た時、どうするのでしょう?

 

そして、投げられるエサを目当てに集まったアザラシたちは思ったほどのエサがもらえなければ、養殖網を食い破って養殖されている鮭を狙います。

 

困ったことに全部食べるのならまだしも、好物の頭だけ食いちぎっていくのだとか。

 

ザ・贅沢!

 

エサやり目的に来る観光客で売り上げが上がる宿泊施設やお土産屋さんは喜び、養殖業を営んでいる人にはとんだ迷惑で、度々揉め事になるそうで。

 

 売り物にならない鮭達は、ただゴミになるのです。

 

 

野生のタヌキにエサとしてお菓子を投げようとした人を止めて、ひどく睨みつけられ、「何がいけないのよ!」と怒鳴られたことがあります。

 

その時のワタシからはずっと年上の大人の方でした。

 

人間が食べてもそれほど早く影響を出さない添加物も、小動物には毒の澱となります。

 

人間よりも早いサイクルで次世代が産まれるので、その個体では出なくてもその個体の孫かひ孫あたりで何か重篤な事が起きる…そういう可能性が高くなること。

 

人間の食べ物の味を覚えて街中に出没し、さらに人間の食べ物の味を知り、人間に慣れ、扱いを知らない人に牙や爪を見せれば、途端に駆逐対象です。

 

彼らには問題なくとも、人間には病になる感染症が出た場合にも、やはり駆逐されます。

 

人間が彼らと関わって彼らにとって良いことなんて、ほとんどないのです。

 

 

北海道は知床で観光客が考え無しにあげたソーセージがきっかけで悲しい死を迎えた熊の事件。

 

 

その事件から程なくして、山に箱いっぱいの鮭が置かれて、また一騒ぎになりました。

 

ニュースを見て、「食べ物がなくて仕方なく人里に降りてきてる!!」と早合点して、良いことをしているつもりでエサを置いて来る人が本当にいます。

 

森や山が狭くなり、食べ物が減ったが故に人里に降りてくる野生動物ももちろんいますが、その問題と安易なエサやりは別問題。

 

その人が、ずーーーーーーーーーっと充分にエサを与え続けられるならいいかもしれませんが、それができないのなら絶対にやってはいけません。

 

そういえば、都心で迷子になったからか川に出没するようになったアザラシにエサやりしていた人たちと、それに反対する人たちとで揉めたニュースもあったような…。

 

「だって、お腹空かせてかわいそうじゃない!!あの子が死んでもいいの?!」って興奮した口調で噛みついていた壮年女性の形相だけ、ボンヤリと覚えています。

 

美味しいエサが苦労せず貰えると覚えてしまえば、なかなか動かなくなるでしょう。

 

本来は団体行動のアザラシは、仲間の元へ戻ることもなく、ペアを作ることも子どもを育てることもなく一生を終えることになってもかわいそうじゃないのでしょうか?

 

 

素足で走り回ることも、裸で風邪もひかずに生活することも、自分でエサを取ることもできない人間だからこそ、それができる野生動物達と無闇に関わるのは間違いだというのが、ワタシの考えです。

 

「わあ、かわいい」や「なんて、かわいそう」という感覚は素直で優しいのかもしれませんが、近寄るためにエサを差し出したりしてしまうのはダメです。

 

どんなにかわいくても、どんなにかわいそうでも。